THE女の世界な看護師界。
愛憎渦巻く…と言っても過言ではないほどに人間関係は複雑になりがちで、表には見えない人間関係があるのが女の世界です。「気が付いたら孤立していた」ということも多々あるんです。
上司や先輩だけでなく、支え合っていきたい同期からも孤立をしてしまったら働きにくいですね。ここでは職場の人間関係で孤立してしまったときの対策をお伝えしていきます。
看護師の人間関係ってちょっと複雑?
よく看護師は女の世界だから厄介とかは耳にすることがあると思います。まぁ実際にとても厄介なのですが、それは女の世界だからだけではありません。
ちょっと特殊な看護師の世界の人間関係について傾向を知っておきましょう。そうすると自分の環境も客観的に見やすくなります。
1.チーム医療で働く職場
看護師は単独で働くことはありません。医師を始め他の職種の人が多く関わっていきますし、他部署との連携もあり、病棟や部署内では周りの人と協力して業務をしていかないといけません。
患者さんの命にかかわることはもちろんですが診療、治療は基本的に先延ばしにもできないものなので、人間関係が悪くても、わかりやすく業務に支障が出ることは少ないです。
「〇〇さんには、今日の部屋持ち患者さんの情報を教えない」と思ったとしても、医者から「あの人の〇〇はどうなった?」とか聞かれたりします。
他にも、特定の人に「これもお願い、あれもしてね云々・・」などと業務をふっても、自分にもしわ寄せがきて、残業になるだけです。
仕事をする上で「無視をする」とか「ひとりだけに押し付ける」とか「あの人にだけ教えない」とかいう、普通の会社で見かけるいじめは起こりにくいんですよね。それだけに人間関係の孤立はわかりにくく、周りからも見えにくいです。
2.1年経ったらもう一人前!?
看護の世界は独特で閉鎖的なので気づきにくいものですが、1年経って新人が入ってきたら一人前と言わんばかりに目も手も離れます。
一般企業の社会人であれば、まだ二年目なんてひよっこなのに、看護師の世界では、ひとりでも後輩ができると年数は関係なく先輩はもちろんのこと、なぜか一人前になってしまいます。
「一人前の先輩」が増えると、新人やちょっと目につく人は見下されやすく大人数の標的にもされやすくなります。
3.夜勤もある仕事
日勤だけでなく夜勤という不規則勤務もある看護師は業務のメンバーも流動的です。
いつも必ず同じメンバーで仕事をするわけでもないので、人間関係が見えにくいし、自分の知らないところで何かを言われていたとしてもわかりにくいんですよね。
さらに夜勤のときは人も少なく、患者さんも基本的に休んでいるので時間があります。静寂の時間があると女の人は話も進みますから、あっという間に噂話も広がっていきます。
4.やっぱり女の世界
看護師は男性看護師が増えてきていますが、やはり大半が女性の職場であるのでねたみ嫉みが渦巻いています。
ちょっと医者と親しげに話していたら「ちょっとなんなの…云々」とか。男性スタッフと仲が良かったり、親切にしてもらう場面を見られるとよく思われなかったり、若いというだけで色眼鏡で見られますから注意が必要です。
看護の世界でわたしが気付いた孤立のきっかけ
職場で孤立と言っても先ほどお話をしたように人間関係が複雑になりがちな女性の多い看護の職場ではなかなか気づきにくいし、周りもあからさまにはしてきません。
目に見えるいじめが無いので、孤立しているか気が付きにくく厄介なのですが、必ずその兆候はあります。
1.必要事項以外、話しかけられることがない
職場で自分から話しかけない限り、必要事項以外を話しかけられることがないという状況になります。
「気づかない人なんているわけないじゃない」と思いたくなりますが、『業務に必要なことだけ』は話しますから気が付きにくいんです。しかも看護はチームで動いていて他職種との連携もあり、わかりやすく孤立をすることは少なくなります。
わたしの場合は、先輩たちに「これやっておこうか?」とか言われることもなかったですが、経験が浅いから手助けがないのだと思っていました。気が付いたのは「薬のダブルチェックの依頼をされなかったこと」です。
近くにわたしがいても、わざわざ遠くの人に声をかけたり、業務中の人やリーダーに声をかけていました。でも、その先輩は、他の同期には声をかけていたんです。
「おかしいな?」と気にしてみると、業務の合間に、他の同期は「大丈夫だよ、やっておくからこっちは任せて」とか「これ経験ある?やってみる?」とか「疲れちゃうよね、おつかれさま~」など、先輩から声をかけられていました。わたしが孤立しているんだと実感した瞬間ですね…。
3.相談内容を他の人が知っている
自分が話した内容を全然関係のない人や勤務にもいなかった人が知っている、ということがありました。
メモを取るかとらないかという話だったのですが、わたしは技術を教えてもらっているときにはまず見てメモはあとから派だったんです。患者さんへの看護技術を「すみません、見てなかったからもう一回やって見せてください」は、なしだと思っていたからです。
それが、いつの間にか話はすり替わっていて「メモを取らなくてもわたしは出来るって話してたんだって?!」と、先輩からいきなりキレられました(笑)
「あぁ…周りはみんなで自分のことを話して、ああでもないこうでもないと悪口を言っていたんだな」と改めて感じました。
もちろん、明らかな孤立を感じるようなこと、たとえば悪口を言うとか無視をするとか、夜勤や遅番の時に飲み会を開くとか、そういったことはわかりやすいのですが、そうでなくとも孤立はします。
孤立していることがわかりにくいのが看護の独特の世界とも言えます。
職場で孤立をした時の対応方法はこれ!
職場で孤立をしていると気が付いたら、どうしたらいいのか悩みますよね。悪口を言われている、無視をされているなど、周りが自分のことをよく思っていない事をわかったうえで働くことはとてつもない苦痛です。
「こんなことを聞いたら呆れられるかな」
「出来ないとまたいろいろ言われるな」
と思いながら働いていると余計な緊張をしてしまうので、ミスを連発すること必至。ミスも増えれば居心地の悪さはさらに増し・・なんて悪循環・・・!
そこで職場で孤立をしたとわかった時の対応方法をお伝えしていきます。
1.職場になじむように努力をする
孤立をしてしまって働きにくいと感じるのであれば、馴染むように努力をすることで孤立から抜け出せることもあります。
看護師としての技術や知識を身につけ、一人前になることを目指すという方向であれば自分にとってプラスになります。ですが、一生懸命取り入って馴染もうとするのはうまくいきにくいですし、そこに力を入れているとかなりの無理をした努力をすることになります。
なにせ相手はもうこちらをよく思っていませんから何をしてもマイナスに取られることが多いんです。
2.孤立をしてもいいと開き直る
女子は群れるもので大多数対ひとりだと尻込みもしてしまいます。ですが、孤立していたら、あっちに気を遣い、こっちにも気を遣い・・・というような余計なしがらみを受けることは少なくなります。
何度も言いますが、看護師の職場は業務が中断されるような孤立は感じにくい職場です。ということは、仕事だけをしてサッと帰るようにすると人間関係に振り回される時間も少なくて済みます。
孤立上等!くらいの強気で行ける人はこの動き方もいいでしょう。
3.部署異動をする
孤立をしていて働くというのはツラいです。何か言われたらどうしよう、失敗したら・・・なんて考えて萎縮してしまうとミスも増えて、ずっと居続けることもストレスになりますね。
辛くなる前に、働く場所を変えるという意味で異動をすることもおすすめです。違う環境になれば人間関係も変わります。
ただ部署を異動した場合、元いた部署の知り合いがいたりすると情報がそのまま流れるので、全くの新しい環境にすることは難しいです。
4.退職をする
部署異動ができない場合や、異動しても孤立してしまいそうな場合は、退職・転職も考えてみてください。辞めるという選択肢を入れることは、間違いではありませんから。
全く新しい環境に身を置くことで、看護師としての経験を積んでいくことができますし、人間関係も変わるのでまた新たな一歩を踏み出せるでしょう。
人間関係で孤立しても、働きやすい職場を見つけるには
職場で孤立をしてしまうことは働きづらいし、居心地が悪いですよね。
もしかして孤立してる?と思うことがあったときに、気のせいで片づけてしまうことはとても危険なんです。
今の職場で頑張り続けるのも良いですが、ツライ環境に我慢しているなら、転職も考えてください。精神的に落ち込んでしまったら、意味がありませんから。自分を守ることにもつながります。
次の職場を探すとき、まずは人間関係が良くて働きやすい職場が良いですよね。実際に働いてみないと、わからないこともありますが、ある程度は事前に調べられるんです。
例えば、看護師専門の転職サイトに登録すること。担当者から、行きたい病院の職場環境や人間関係を詳しく聞くことができるんです。
ネットの口コミでも良いですが、古い情報の可能性もあります。転職サイトだと、利用している現役看護師さんにアンケートを取っているので、常に新しい情報をもらえるんです!
「転職はまだ考えられないけど、今の状況を脱出したいから相談してみた」という看護師さんもいます。相談の結果、まずは部署異動してみては?など、無理に転職を進めてくる訳ではありません。
自分の経験の糧としていけば、退職も転職も決してマイナスにはなりません。
孤立したことも恥ずかしいことでも何でもありません。その経験はいつか誰かの役に立つかもしれませんから自分が働きやすいように、出来ることならば看護師を続けて行けるように動いていきましょう。