一般的に、看護師の給料は高いというイメージがあります。
確かに、初任給は他の職業よりも多いです。しかし、看護師の給料は上がりにくい傾向にあります。
結婚・出産をすると、住宅ローンや教育費がかかるので、年齢と共に昇給しないと困ってしまいますよね。また、体力的・精神的にもキツイ職業なので、昇給しないとモチベーションが保てません。
そこで今回は、看護師が昇給しにくい理由や給料を上げる対策などを紹介します。
看護師の平均年収はどのくらい?2018年最新版
実際に、看護師の年収はどのくらいなのでしょうか?年収の平均額を年齢別にまとめたデータがありますので、紹介します。
・20~24歳:3,862,000円
・25~29歳:4,543,000円(+681,000円)
・30~34歳:4,776,000円(+233,000円)
・35~39歳:4,993,000円(+217,000円)
・40~44歳:5,243,000円(+250,000円)
・45~49歳:5,393,000円(+150,000円)
・50~54歳:5,111,000円(-282,000円)
・55~60歳:5,702,000円(+591,000円)
※カッコ内は、1つ前の年齢階層との差額
(参考:賃金構造基本統計調査)
看護師の給料は、年齢や出身校(大卒か専門卒か)、夜勤の回数など様々な要件によって変わります。そのため、あくまで参考程度に見てほしいのですが、注目すべきは1つ前の年齢階層との差額です。
25~29歳では+681,000円ですが、次の30~34歳では+233,000円と、昇給額が1/3近く下がっています。このことから、看護師の給料は新卒から数年間は順調に上がるものの、ある一定の年齢を超えると上がりにくいことが分かります。
看護師の仕事は、年齢と経験を重ねるごとに責任が増します。委員会やプリセプターなど、本来の業務に加えてやらなければならないこともあります。それなのに、昇給率が悪くなるとモチベーションが下がってしまいますよね。
大手の病院では、年に2回昇給することがありますが、多くは年1回の昇給です。また、小さな病院やクリニックでは、昇給がないこともあります。
募集要項には「昇給あり」と書いてあっても、実際はないこともあるようです。
看護師の給料が上がらない理由は?
業務量も多く、責任の重い看護師ですが、なぜ給料が上がらないのでしょうか?主な原因をまとめました。
1.中小規模の病院は、経営者の判断による
大規模の病院は、昇給率があらかじめ決まっていたり評価制度が明確だったりすることが老いです。
しかし、個人が経営している中小規模の病院だと、給料が上がるかどうかは経営者の判断によります。なかには、採用されたときから基本給が変わらないという人もいます。
病院で働く医療職の中で、特に多いのが看護師です。そのため、看護師の給料をむやみに上げると、経営を圧迫することにも繋がります。
この辺りの采配が経営者にゆだねられるので、病院により昇給に違いが出てきます。
2.病院の収入に診療報酬が大きく関わっている
病院の収入が増えれば、看護師の給料も上がるでしょう。しかし、簡単にはいかない理由があります。
当然ですが、病院の収入は患者さんが支払う治療費と保険料から成り立ちます。これらの基準になるのが、診療報酬です。
診療報酬は、中央社会保険医療協議会が定めており、2年に1度改定されます。病院が独自に治療費を決められるわけではありません。
病院が利益を上げるためには、多くの患者さんに来てもらうことになります。しかし、病院にも受け入れの限度があるので難しいですよね。
このような理由から、病院の収入が増えにくくなり、看護師の給料も上がりにくくなっています。
3.他の職業に比べて転職する人が多い
看護師の転職率は、他の職業に比べて高いと言われています。看護師資格があれば様々な職場で働けるので、転職しやすいというのが要因です。
さらに、看護師は女性が多く、結婚や出産などにより転職・休職をする人もいます。そうすると、また1からのスタートになるので、勤続年数が増えずに昇給しにくくなります。
給料を上げるためにできることはある?
このように、給料が上がりにくいと言われている看護師ですが、それでも自分たちでできることはないか考えてみました。
・夜勤や休日出勤の回数を増やす
自分たちでできる方法の中で、一番簡単なのがこの方法です。夜勤や休日出勤の回数は、給料にダイレクトに影響します。
私が以前勤めていた病院でも、先輩看護師が「給料を増やしたいから」と、師長さんに夜勤の回数を増やしてほしいとお願いしていました。
師長さんに言いづらいという人は、他の看護師が体調不良で休む場合、積極的に代理出勤を申し出てはいかがでしょうか?ただし、体調を崩しては意味がないので、無理のない範囲内にしましょう。
・認定看護師や専門看護師を取得する
看護師の上位資格である認定看護師や専門看護師の資格取得もひとつの方法です。ただし、資格取得には専門の教育機関や大学院で学ぶ必要があるため、職場の理解がないと難しいかもしれません。
また、資格取得によって手当が増えるかどうかも病院によって異なります。資格手当の制度があり、自分が働いている分野でさらに看護を極めたいという人におすすめです。
・主任や師長など役職を目指す
主任や師長などの役職に就き、役職手当がもらえると給料はアップします。これらの役職に就くには、勤続年数がある程度長いことや看護のレベルが高いことの他に、リーダーとしての素質があることも求められます。
働いている看護師の人数に対して役職はわずかなので、競争率は激しいですが、今の職場で長く働きたい人はぜひ目指しましょう。
今すぐ給料を上げたいなら転職もアリ!
昇給のために自分たちでできる対策を挙げましたが、正直「どれも難しい」と思った人もいるのではないでしょうか。
もっと早く、簡単に給料を上げる方法として、今より条件の良い病院への転職があります。ここでは、転職に失敗しないために気を付けたいポイントを紹介します。
・経験のある診療科を選ぶ
給料アップを目的とした転職の場合、経験のある診療科を選びましょう。経験に応じて給料が決まることがあるので、経験の有無は重要です。
・昇給制度の有無、労働組合の有無をチェックする
事前に、昇給制度の有無や仕組みを確認することは欠かせません。
・勤続何年で昇給するのか
・昇給したらどのくらいの金額がもらえるのか
しっかり把握しましょう。求人に出ていないこともあるので、職場見学をしたタイミングなどで確認できるとスムーズです。
また、労働組合があるかどうかも把握しましょう。労働組合には、賃金アップなど働く職員の労働環境を改善してくれる役割があります。
・手当の種類や金額よりも基本給を重視する
求人には、住宅手当や資格手当など、手当の種類の多さをうりにしているものもあります。しかし、重視したいのは手当よりも基本給です。
基本給はボーナスや退職金の算定に用いられるため、基本給が高いと生涯獲得賃金が高くなります。もちろん手当の多さも魅力的ですが、目先の給料だけにとらわれると将来後悔するかもしれません。
・経営が安定しているかどうかをチェックする
そもそも経営が安定していないと、給料は上がりません。それどころか、給料が下がる可能性もあります。
しかし、経営状況は自分ではなかなか分かりにくいです。そのようなときは、転職サイトに登録してエージェントに聞くことをおすすめします。
看護師の転職サイトはたくさんありますが、中でも病院の内情に詳しいと評判のサイトがあります。
【PR】親身な相談:レバウェル看護(旧 看護のお仕事)
「今、職場を辞めたら人手足りなくて迷惑かけるな…」
「同僚から辞めないでねって言われたんだよね」
と思っていませんか?
ハッキリ言いますが、考えるだけ時間のムダです。
もし、病院側があなたに辞めて欲しくないと思っていたら?
あなたが辞めたいと思わないように、労働環境を改善するはずです。
例えば昇給したり、有給休暇を取りやすくしたり....
残念ですが、あなたが職場を辞めても迷惑はかからないってことですよ。
あまり考えすぎずに自分の働きやすい環境を探してください!
まとめ
看護師の仕事はハードですが、様々な理由から給料が上がりにくいことが分かりました。自分たちでできる努力もありますが、今すぐに効果が出るものではありません。
そんなときには、先ほども紹介しましたが、転職サイトに登録することをおすすめします。求人だけでは分からない、病院の内部事情も知ることができます。
情報収集だけでも大丈夫ですので、自分の給料がいくらになるか?もっと昇給できる病院はあるか?探してみてください。
《この記事を書いた人》
看護師歴7年のひとみです。自分のライフスタイルに合わせ、看護師としての働き方を変えてきました。
転職、派遣、パートなど色々やった体験を、ここではお伝えします!