
【働かない息子を持つ親御さんの相談】
31歳の息子と同居しています。
大学を卒業後、就職したのですが1年程で退職。
その後は、週2日程度のアルバイトをしていましたが、半年も続きませんでした。
働き始めても、すぐに辞めるかクビになるを繰り返しています。
最近は、家に引きこもってゲームに没頭したり、趣味の友達(ネット上?)と遊んでいます。
家のことは一切しませんし、生活費も入れてもらっていません。
もう30代ですし、そろそろ落ち着いて欲しいです。
昨年、2つ下の弟が結婚したので、余計に焦っています。親として、どうしたら良いのでしょうか?
親はいつまでも子供を養えない

社会人の息子さんがいらっしゃるとのことですが、中々自立することが難しいようですね。
15〜34歳までの仕事も、通学も、家事もしていない人のことを「ニート」といいます。
内閣府の調査によると、日本では約56万人がニートに該当しています。
また、35〜39歳までのニートは20万人、49歳までのニートは46万人にいるという調査結果も出ています。
今や人口の1%程がニートに該当するご時世だということになります。
「なんだ、そこまで珍しいことではないのか?」
と決して安心しないでください。
近年の日本人男性の平均寿命は約80歳です。
30代前半の息子さんは、あと50年は誰かに養われないと生きていけないという計算になります。
一方、親であるあなたはおいくつでしょうか?
どんなに若くても50代前後ではないでしょうか?
息子さんの面倒を一生見ようと思うと、確実に100歳を超えてしまいます。
とっくに定年を迎え、年金生活に突入し、もしかしたら介護が必要になっているかもしれません。
そんな状況で、成人男性1人を養っていくだけの収入源や蓄えを持つのは厳しいです。
そこまでの覚悟や準備は出来ているのでしょうか?
突き放すことも愛

では、どうすればよいでしょうか?
最終目標は息子さんに「自立してもらう」ことです。
あなたも今まで息子さんに「就職しなさい」とか「働いた方が良い」といった言葉をかけてきたのではないでしょうか?
息子さんに言葉が届かない理由は、「働かなくても生きていけるから」です。
働かなくても何不自由ない環境にいるのに、「働け」と言われる、矛盾した状態にあるのです。
息子さんにしてみれば、全く切羽詰まった状況でないので、真剣に自立したり、就職しようというマインドにならないのです。
だったら、息子さんを追い詰めましょう。
金銭的にも、日常生活の世話という点でも、息子さんの面倒を一切見ないのです。
本人からしてみれば、「外で働いた方がマシ」という環境を作りましょう。
荒療治な方法だと、「家から追い出す」という方法があります。
今すぐ、いきなり放り出すのは難しいでしょうから、「いつまでに自立しないと追い出します。だから何とかしなさい。」と宣言することから始めましょう。
ゴロゴロしているのならば、洗濯や皿洗いなどの家事をバンバン押し付ければいいのです。
働かざるもの食うべからずです。
本人も内心どうにかしたいと悩んでいるのかもしれません。
けれど、プライドが邪魔をしたり、選り好みをしすぎていて仕事が決まらなかったり、こんなつもりじゃ無かったと長続きしないこともあります。
まだ30代。
本人がその気になれば、就職し、結婚することも夢ではありません。
息子さんに本当の意味で自立して欲しいと考えているのならば、突き放すことも必要です。
今、手を放さないと

もし息子さんが一人っ子ならば、家も財産も全て残すつもりで養い続けることで最終的に困るのは本人だけになります。
でも、他に兄弟姉妹がいるのならば、そうはいきません。
あなた達、親世代が亡くなったら、誰が息子さんの面倒を見るのでしょうか?
まさか、他の兄弟に面倒を引き継がせようなんて考えていませんよね。
他の兄弟にはそれぞれの家族や生活があるのです。
それを維持するために自分で生活費を稼いだり、貯蓄しているのです。
子供がいるのであれば、成長に合わせてかかるお金も莫大な金額になります。
あくまで皆、自分や自分の家庭のために備えているのです。
どうして働ける他の兄弟を養うために使わないといけないのでしょうか?
「兄弟だから助け合って」は通用しません。
他の兄弟や孫たちにまで迷惑をかけないためにも、今、動かないとならないのです。
そうでないと、家族間の争いが勃発しかねません。
言い訳だけで働かない兄弟に対して嫌悪感を覚えますし、ずっと甘やかしている親にも失望します。
いつまでもニート生活を許していると、息子さんはもちろん、あなた方も他の家族から「疎遠」にされてしまうかもしれません。
家庭崩壊につながる前に、手を放しましょう。
自立の第一歩、就職先を探してみては

ニートであることのデメリットは他にもあります。
それは「結婚できない」ことです。
「ヒモでもいいから養わせてほしい」という奇特な女性がいるのならば別ですが、現実はむしろ逆でしょう。
子供ができると、産休育休で収入減は避けられませんし、幼稚園から大学までの学費も膨大です。
裕福でなくても家族が食べていけるだけの収入がないと、結婚生活を維持することは難しくなります。
本当は、あなた方も、息子さんに自立し、結婚して家庭を築いてもらうことを望んでいるのではないでしょうか?
結婚するには、経済力が必須です。
ならば、あなた方がすることは息子さんを養うことではなく、就職できるようにサポートしてあげることです。
いきなり就職活動をしろと言っても、ひとりでは何をしたらいいか分からなくなります。
引きこもり期間が長いなら当然です。その時は第三者の力を借りてみてください!
息子さんの将来を心配するのならば、道を示してあげるのも親の務めです。