一言で退職と言っても、自己都合による場合だけではありません。
最近多いのは、経営不振などによるリストラや早期退職勧告など、会社側からの申し出により、やむなく退職せざるを得ない、いわゆる会社都合による退職です。
この場合、一身上の都合により・・・という退職届を出す必要はありません。
また雇用保険の失業給付では、自己都合に比べてよりかなり有利な条件が設けられています。
たとえ会社側から、「一身上の都合により辞めるということにしてくれないか」と言われても、本当は会社都合による場合は、ぜひろも会社都合としての退職にするべきでしょう。
具体的には、次のような場合が会社都合にあたると考えられます。
①倒産及び事業縮小に伴う人員整理(リストラや早期退職勧告など)
②会社側の都合による事務所や営業所の移転
③賃金の不払い、極端な給与カット
④残業時間が一定の水準を超えている
⑤セクハラやパワハラなどによる嫌がらせを受け、辞めざるを得ない状況に追い込まれた
③賃金の不払い、極端な給与カット
④残業時間が一定の水準を超えている
⑤セクハラやパワハラなどによる嫌がらせを受け、辞めざるを得ない状況に追い込まれた
⑤セクハラやパワハラなどによる嫌がらせを受け、辞めざるを得ない状況に追い込まれた
まず、①は会社側に合理的な理由がある、ということが前提になります。
法的にリストラが認められる例としては、「会社経営のためにどうしても人員整理をする必要がある」「解雇を避けるための努力を十分に行った」「解雇対象者の人選が合理性・公平性を持つ」「対象となる従業員や労働組合に対し、十分な説明と協議を行った」という条件が必要になります。
困るのは倒産などにより経営者が行方不明になり、離職票がもらえなくなるというケースです。こうしたときには所管のハローワークにその旨を申し出るべきです。
また、期間の定めのある労働契約の締結に際して、その契約が明示されているにも関わらず、労働契約が更新されなかったなども、会社都合による退職が認められます。
②はあくまで会社側の事情によって移転した場合で、通勤できないという場合です。
また、通勤時間が片道2時間以上になってしまう時も、会社都合に当たります。ただし、転勤を命じられたからという理由は認められません。
③の賃金(退職手当を除く)不払いでは、「これまでの賃金の3分の1を超える額が、支払期日までに支払われなかった月」が、引き続いて2ヶ月以上になっている場合などがこれにあたります。
また、賃金がそれまでの額に比べ85%未満に低下したなど、驚嘆な給与カットも立派な理由になります。ただし、これは予見が困難だった場合に限られます。
さらに、離職する月から3ヶ月以上遡って、残業時間を各月1週間に45時間以上強いられた場合にも会社都合が適用されます。
その際には、タイムカードなどその事実を証明するものが必要となります。
問題はセクハラやパワハラなどによる「いじめ」や陰湿な嫌がらせの繰り返しにより、会社を辞めなくてはならない状況に追い込まれてしまうケースです。
最近では男女雇用機会均等法により、企業の中にもセクハラを防止し、こうした動きが広がらないようにする責任が求められ、この問題を担当するセクションが設けられるようになりました。
もし、自分がこうした被害を受けていると感じたら、まずそういった部署に相談することが先決です。
大切なのは、当事者が相談したかどうかです。
何もやらないままの状態では、セクハラやパワハラがあった・または続いていたとは認められません。
しかし、会社側はそういう事実を認めたがらないものです。
「あなたが辞めるのはあくまであなたの自己都合です。退職届に一身上の都合と書きなさい」と主張するかもしれません。
それを拒否した場合、会社側は離職票を出さない、故意に出すのを遅らせるという嫌がらせをしてくる可能性もあります。
こんなケースが想定される場合は、とりあえず離職票をもらうために、自己都合ということで退職届を出し、ハローワークの窓口で退職に至る経緯や理由を説明しましょう。
後日、証拠や証言などを示せれば、自己都合が会社都合に覆る可能性もあります。
ただし、セクハラにせよパワハラにせよ、そうした事実を会社に認めさせるのは容易ではありません。
どうしても納得がいかないのであれば、裁判に持ち込んで法廷で決着をつける以外にはないでしょう。
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