
学校って、働く上では特殊な環境ですよね。
子供、保護者、同僚、上司。
いくつもの立場を使い分けなければならないし、精神的に辛い面もあります。
しかも、「教員=ブラック」と近年報道される程の長時間労働。
これじゃあ、身が持たないですよね。
今回は学校の教師が一般企業へ「転職したい理由」と「転職先」についてまとめてみました。
転職活動を始める前に知っておいた方が良い事も載せているので、参考にしてみてください。
教員から転職したい理由

拘束時間が過労死ライン超え
日本の民間企業は従業員の拘束時間が長いのですが、実は教員も拘束時間が長い職業です。
「公立の先生って、公務員でしょ」と思われがちですが、毎月の残業時間が80時間を超えるブラックさ。
これは過労死の危険があるとされる程、過酷な働き方をしているということです。
文部科学省が2016年に行った教員の労働時間についての調査によると、
・小学校の教員で月平均約70時間(労働時間合計230時間)
・中学校の教員で月平均100時間近く(労働時間合計260時間)
という結果になりました。
一般企業でも労働時間の月平均170時間程度であることからも、教員の労働環境がいかに過酷で、ブラック過ぎることが分かります。
何でこんなに長時間労働になるの?
教員の労働時間は、なぜこんなにも長くなるのでしょうか?
理由が授業の準備、生徒児童の生活指導ならば、教員自身もやりがいがあったり、納得できるでしょう。
しかし、現実には「教育委員会や国関連の書類作成」だったり、「教育研究のレポート作成」、「部活動」が大きな原因なのです。
これらの原因については、調査した教員の実に80%が負担に感じていると回答しています。
勉強や生徒指導をするために教員になったはずなのに、それ以外の雑務が大きな負担になっています。
しかも残業代が出ない!
これだけ働いているし、公務員ならば残業代は全額出ると思われがちです。
しかし、悲しいことに残業代は出ません。
土日の部活動のために出勤した場合は手当がつきます。
…といっても3000円くらいの金額が一律支給されるだけです。
6時間拘束で時給500円。
8時間拘束だったら…考えたくもない金額ですね。
労働時間の長さや働くほど反比例していく労働単価にうんざりして、辞めたいと考える様になる教員も多いです。
人間関係が辛すぎて、精神的に病みやすい

教員が辛すぎて辞めたくなるのには、他にも理由があります。
以前から、不当な要求をしてくるクレーマー保護者の対応で教育現場が疲弊していることはよく知られています。
実際、労働時間の項目でご紹介した調査の回答者のうち、70%以上もの教員が、「地域や保護者対応が辛い」と回答しているのです。
近年では、ネットワークインフラの発展・普及によって、教員のプライバシーが侵害されるといったケースも見受けられます。
例えば、
・深夜に携帯電話にまで連絡してくる
・SNSなど不特定多数が閲覧する場に悪口を書き込まれる
といった行動に出る保護者がいることが教員を苦しめているのです。
その結果、2016年度に病気などで離職した教員の数は、
・小学校教員…約560名
・中学校教員…約360名
となっています。
そのうち精神疾患が原因の離職者は、
・小学校教員…約340名
・中学校教員…約230名
です。
あなたも周囲を見渡してみて、苦情やプレッシャーに晒され続けた上に、長時間労働に疲れ果てて、精神を病んでしまう教員の多いと感じているのではないでしょうか。
人間関係の悪化がつらい
教員を辛い立場に追い込む人間関係は、保護者や地域との人間関係だけではありません。
本来ならば、協力し合う同僚や上司との人間関係に苦痛を感じている教員も多くいます。
同僚との人間関関係が辛い
・指導方針が合わない
・セクハラに遭っている
・仕事が遅い同僚の分掌仕事も、自分に回されて困っている
上司との人間関関係が辛い
・初任なのに、指導が雑
・上司からパワハラを受けている
・困りごとがあっても、相談できる環境でない
・現場の声を上げても、校長が聞き入れようとしない
といった問題に直面している教員もいます。
校長や教育委員会の権限が大きかったり、相談窓口がうまく機能していないことがあります。
職場で関わる人間が少なく、しかも顔を合わせる時間も長いために、精神的に辛いと感じているのです。
では現実問題として教員を退職した場合、他の仕事に転職することはできるのでしょうか?
転職市場での教員の評価はどれくらい?

いざ教員が一般企業に転職しようとした時に、ぶつかる問題があります。
それは、「アピールポイントが見つけづらい」ということです。
一般企業に転職する際は、
・これまでの業務内容
・功績
・関連業界の知識
・ITスキル
などを元に、その企業での有用性をアピールしていきます。
しかし、教師の仕事は一般企業の業務に置き換えがしづらい物が多いです。
例えば、教員の場合、パソコンでのビジネス文書作成の経験など、仕事でパソコンが使えるというレベルがよく分からないという方もいます。
また接する人間の多くが「生徒」であるため、顧客対応といった意味では経験が少ないと判断されがちです。
生徒や保護者対応の経験を活かすという意味では、「学習塾の講師」や「放課後デイの運営」などが教員の転職先として一番に上がります。
教員から転職する際に、確認しておくことや身に付けておくことは?
Word、Excelなど、最低限使えるようになっておく
教師が一般企業に転職する場合、営業にしても、事務にしても、パソコンを全く使わない仕事というものはないと考えた方が良いでしょう。
最低でも、Wordでの文書作成や表作成。
Excelならば、データ入力やグラフ作成、データの集計方法などができないと、実務をこなしていくことが難しいと思われます。
それと同時に、「共有フォルダ」などのITワードの意味や使い方も理解しておいた方が良いですよ。
ビジネスマナーを見直そう
一般企業では、電話の出方1つ取ってみてもルールが決まっています。
学校では「こんにちは」と出ても支障はありませんが、一般企業だとその対応では「この担当で大丈夫?」と思われてしまいます。
他にも「ビジネスマナー」として暗黙のルールがいくつも存在しています。
ビジネスマナーや秘書検定などの本を読むなどして、最低限のビジネスマナーを身に付けておきましょう。
コスト意識や効率が重視される
一般企業では、「より短い時間で、コストを掛けずに成果を上げる」ことが求められます。
1つの作業にどれくらいの時間を費やしたか?
それによって、どれだけ売り上げに貢献できたか?が問われます。
そして、その点を日報などで報告しなければなりません。
他にも、一般企業では利益を出すことを優先しなければなりません。
そのためには、「コストをできるだけ抑える」ことが求められます。
・仕入れ原価を抑える
・人件費を抑える
これらを実現するために、交渉したり、作業効率が上がる仕組みを考え出すことが必要になります。
一般企業では、「コスト」や「時間」を意識して仕事をしていかなければならないことや意識を身に付けておきましょう。
年代別!教員の転職活動事情
20代前半の教員の転職事情
20代前半は、まだ「第2新卒」という位置づけで採用が行われることが多いです。
実務経験やスキルの面で多少不足があったとしても、人物重視で採用されがちです。
というのも、教員からの転職者は真面目な人材が多いため、企業としても「採りたい」と思う人材に出会える可能性が高いからです。
20代半ば以降の教員の転職
20代半ばになると、未経験の職種の場合、採用時にスキルやこれまでの経験が求められることが増えます。
そういわれても、全く異業種だったら、どんな経験が求められるか分かりかねますよね。
例えば、営業職など人と接する仕事の場合は、「顧客対応力」が求められます。
教員の場合は、「コミュニケーション能力」がこれにあたります。
保護者や地域の方などから上がってくる声に対して、どのように対応したのか?というものです。
クレーム対応の経験があるのならば、守秘義務に反しない範囲で話せるエピソードを組み立てておきましょう。
一般企業出身で転職活動をしている人も、同業同職種でもない限り、全く同じ業務を経験しているかというとそうではありません。
今までの経験の中で、次の職場で活かせることを探し出してアピールしているのです。
30代以降の教員の転職
教員に限らず、転職者全体に言えることですが、「30代以降は異業種への転職が難しくなります」。
30代以降は、業務の経験や実績が必須となります。
また未経験で異業種への転職は、転職する際も、転職してからも大変なことの連続になります。
今まで経験したことのない事柄を短期間で学び取りながら、結果を残していかなければなりません。
柔軟な思考や対応が求められるために、30代以降の転職は難しいとされています。
教員から一般企業へ転職は、年収ダウンの可能性大
教員から一般企業への転職の可能性についてまとめていますが、ここで1つ注意しておかなければならないことがあります。
それは、教員から一般企業に転職した場合、「年収がダウンする可能性が大きい」という事です。
特に公立学校の教員の場合、同年代に比べて給与ベースが高く設定されている事が多いです。
元々、給料が高く設定されている上に、未経験の業界、職種への転職になるため、給与ベースは下がると考えておいて下さい。
今と同じくらいの年収を求めるのならば、転職の難易度はぐっと上がってしまったり、「長時間労働」という問題が解決しないこともあると思ってください。
この転職で優先することは、「給料なのか?」、「労働時間なのか?」。
何を改善したい転職なのかを、一番最初に決めて、途中で妥協してしまわないように気を付けてください。
教員の転職先として多いのはどんな業種や職種なの?

それでは、教師が転職する場合には、どんな業界や職種が多いのでしょうか?
一例をご紹介いたします。
教員経験を一番活かせるのは、教育業界
教員としてのキャリアや経験を一番活かせる業界として、一番転職先に選ばれやすいのは「教育業界」です。
・学習塾の講師
・学習塾のスクールマネージャー
などが主な職種です。
引き続き、教壇に立って教える仕事がしたい教員は「講師」を、教室の運営など経営的な面に携わりたい教員は「教室長」などの管理職を選ぶことが多いです。
今までのノウハウを活かしやすい環境ではありますが、学習塾や予備校は営利目的の民間企業です。
生徒からの人気の有無で、来年の更新の有無が決まります。
ただ授業が分かりやすいだけでなく、自身のパーソナリティも求められる塾もあるので、生き残っていくためには自分の見せ方を工夫しなければなりません。
教室長も数字の取れない教室は、規模の縮小や移転などの対象になります。
学校教員をしていた時と比較して、競争にさらされやすくなるという点も忘れないでください。
需要が高まっている「学童保育の指導員」
学童保育の指導員は、今、需要が高まっている仕事の1つです。
子育て世代のほぼ半分が共働き家庭ということから、募集は右肩上がりの職種です。
募集要項として、教員免許にプラスして研修を受ける必要はありますが、
・教員の知識や経験を活かせる
・子供と触れ合うことができる
といった部分は教員時代と変わらないメリットがあります。
学童保育は、生徒の評価などはしなくていいので、精神的にも、体力的も楽になりやすい職種です。
ただし、教員時代と比較して、年収ダウンしやすい職種でもあります。
運動教室や音楽教室のインストラクター
体育や音楽の教員の場合は、「運動教室のインストラクター」や「音楽教室の講師」といった専門分野で活躍している元教員もいます。
教員経験者の一番の強みは、「子供と接することに慣れている」という点です。
現役選手やプロ奏者にはない、アドバンテージになります。
インストラクターは人気商売ですので、ずっとその道でやってきている方たちとの競争になります。
営業・販売職
未経験の異業種へ転職する際によく選ばれるのは、「営業」や「販売」のお仕事です。
特に20代前半の教員は、ポテンシャルを買われて採用されるケースが多いです。
子供だけでなく、保護者対応もこなしていけていた方ならば、営業職として活躍できる素養があるでしょう。
もし保護者対応はあまり得意ではないけど、事務処理は苦労しなかったというタイプの方ならば、事務職を目指すという選択肢もあります。
教員から一般企業への転職には、これまでの経験から
・自分の強み、弱み
・転職することで、何を叶えたいのか?
といったことがしっかり認識できていないと苦戦しそうですね。
自分一人で自己分析できればいいのですが、他にもサポートしてもらえると心強いですね。
そんな時は転職エージェントに相談してみよう

特に初めて転職を考えている方は、教員に限らずどこから始めたらいいのか?といった疑問を持って当然です。
ただし、そこから「何を、どう準備するか?」によって、転職の成功度が大きく変わってきます。
そのためには、まず自分自身について客観的に知ることから始めましょう。
自分の市場価値や強み、成功する転職方法を知りたいのならば、転職希望者と人材を探している企業を結び付ける「転職エージェント」に相談してみるといいですよ。
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教員は安定度の高い職業ではありますが、人間関係や労働環境がブラックすぎると続けていくことが辛くなります。
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